【課題】川上の取り組みを忘れていませんか?

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空き家社会活動家のための「オンラインサロン空き家ラボ」
http://akiyalabo.net
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おはようございます。私は福井県美浜町で建設業を経営していたり、空き家マッチングのNPOを運営していたり、最近では「空き家問題は所有者の早期決断で解決する」をテーマにオンラインサロン空き家ラボを運営しております、北山でございます。よろしくお願いします。今日は空き家対策の課題について「川上の取り組みを忘れていませんか?」というテーマでお話しさせていただきます。もう5年くらい前にふるさぽとして気づきがありました。それがよく講演会などでもお話しするのですが、「ふるさぽ空き家川上川下理論」というようなネーミングでいろいろお話ししています。

 

空き家の取り組みというのは川上と川下があり、川に例えると上流と下流ということで、上流からどんどん時間が経過していってどんどん老朽化してどうしようもなくなってしまうというのが川下。空き家になりたてなのが川上というような位置づけです。そもそもそこに気づく前は川上川下に意識も全くありませんでしたし、動きとしてはただ空き家の対策をしているだけ。

 

やっていたことは流通に出てくる物件というのはそんなに新しい物件ではなくて、少し手を加えなければいけない大幅に手を加えなければいけない物件が多く、リノベーションしようと思うとそこそこのお金がかかってしまう。数は多いのだけれども物件1軒1軒にお金がかかってしまうとそんなに実績も上がらないということをずっとやってきたわけです。

 

それに対して疑問も思わなかったのですが、全体的な空き家の数を把握していく中でもちろんこれから出てくる空き家予備軍の話しも念頭に置きながら考えていくと、1軒1軒リノベーションしたり流通に流していったりすることは非常に非効率的であるなと。何が非効率的かというとお金がかかりすぎるということと、1軒あたりに時間をかけすぎる。もっと空き家問題を全体的に解決していこうと思うと、ではどうしたらいいかなというふうに考えました。

 

振り返ってみると、「それって全て川下の取り組みをしていませんか?」という疑問を自分自身持ちまして、考えたらそうだねと。古い物件を使えるように直して使っていく。「逆のパターンはないの?」といった時に、「手を加えなくてもきちんと流通に流せるというところってあまり経験がないよね」というふうに思って、不動産屋さんにもいろいろ聞いたのですが、中古物件として出てくるものはあまりなくてどちらかというと結構傷んでいたりして売り買いするときにクレームが多いとお聞きする中で、「そうか、我々は今川上の取り組みを確実に忘れているよね」と。

 

自然発生的に川上の流れというのは、川上から出てきた物件を流通に出すというのは自然発生的には無理だと。それはなぜ無理なのかというと、所有者の方の決断が少しずれてくるとどんどん時間が経過して川下の方へ流れていく、だから川上の取り組みをしようと思うと所有者の方の早期決断というタイミングをできるだけ早くされたほうが空き家問題全体の問題解決になるのではないかというふうに思ったわけです。その時に川下の取り組みに時間をかけるよりも川上に取り組むべきだというふうに認識をしまして、それ以降ふるさぽの軸としては川上の取り組みに移行していったというような流れです。

 

もちろん川下の取り組みもすごく大事なのですが、きっと我々でなくてもリノベーションして新しいお店にするとか住まいとして使うという方はきっと出てくると思いますし、そっちの方が派手ですしおもしろいといいますか。生き返らせるという楽しみを我々も味わいましたが、いいなと思いましたし楽しいです。そして世の中のうけとしても非常にいいですので、そっちはそっちで楽しくやる方が必ず出てくる。であれば全体的なことを考えて川上の取り組みも大事。

 

地味ですが大事なことですので、行政であったりまちづくり団体の皆さんであったりがそこを取り組んでいただければいいなと思っています。今後も川上の取り組みについてもっともっと普及していかないといけないなと思っております。ということで今日のお話しは「川上の取り組みを忘れていませんか?」という空き家対策の課題についてお話しさせていただきました。今日もありがとうございました。

 

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