【課題】現実とのズレ

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空き家社会活動家のための「オンラインサロン空き家ラボ」
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おはようございます。私は福井県美浜町で建設業を経営していたり、空き家マッチングのNPOを運営していたり、最近では「空き家問題は所有者の早期決断で解決する」をテーマにオンラインサロン空き家ラボを運営しております、北山でございます。よろしくお願いします。今日は空き家対策の課題ということで、テーマは「現実とのズレ」というお話しをさせていただきます。この話は講演会でけっこうお話ししていますので聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、非常に大事なお話しですのであえてここでしてみようかなというふうに思っております。

 

現実と何のズレかといいますと、所有者の方の頭の中の思いと現実とのズレの話しです。1番分かりやすくいうと、「空き家になりました」というのは国交省の理屈付けといいますか空き家の定義みたいなところでいくと、1年間住んでいないもしくは管理を1年に1回もしていないというところで、空き家という定義になっていくのですが、現実的な話実質上住んでいなければもう空き家になってしまいます。なぜこの考え方が大事かというと老朽化の話しなのです。

 

よく言われるように家は住まなくなればどんどん傷んでいくと、その傷んでいくスピードがすごく早くなるということは皆さんもどこかでお聞きになっているかもしれませんが、現実はその通りで住まなくなると一気に老朽化が進んでいく。それはどこから始まるのかというと、実は我々が大事にしている指標です。なので、1年間に1回管理をしたらそこは老朽化が進まないのかといったらそれはぜんぜんバツで、そもそも住んでいない時点で空き家と考えるべきなのです。

 

何を危惧しているかというと所有者の方が仮に亡くなったとして、相続された方がこの家を売ろうとか貸そうとなった時に、やはり高く売れた方がいいですし良い状態でお渡しされたほうがいいと思うのです。逆にダメな場合は解体しないといけない。誰も買い手がつかない、借り手がつかないというともうご自身が使うか、それがないというのであれば解体をしなければならないですので、そういう意味からも人に使っていただける状態に保っておくことが非常に大事ですと。

 

ズレというのは何かというと、結局はその認識のズレなのです。例えば親御さんが施設に入ってそこから数年施設に居て仮に亡くなったと、その期間が5年間空いていたと。しかしこの5年間は空き家としてカウントされないのです。実際に帰ってくるかもしれないですし、まめに1週間に1回ぐらい家族の方が掃除や空気の入れ替えをしているのであれば別ですが、施設に入った時点でほとんどの方が家の管理はされないことが多いです。となってくると施設に入った瞬間に空き家のカウントが始まるわけです。

 

5年間放置してそこから例えば相続の手続きなどいろんなことがあり、3年ぐらい空いたとすると8年空き家になっているわけなのです。8年空き家の状態でも所有者の方は亡くなって3年目ぐらいの時に改めてここからカウントするわけです。なので、これはあくまでも仮ですがこの8年のブランクというのは家にとって非常にダメージが大きい。すでにここでボイラーが傷んだり屋根の一部が傷んだりというところまでチェックしていないと思いますので、このズレが実はゆくゆく自分の家はまだ空き家になったばっかりだからという主張をされるのですが、現実から俯瞰で見ると「8年経っていますよね」という話になるところなのです。

 

なので、1年管理していないとか1年住んでいないという国の指標だけを重要視されると、いざ売る貸すとなると老朽化が進んでいるという話が出てきますので、少し意識的に施設に入った段階で空き家だということを頭に入れていただけると、それ以後の空き家の行く末に対して正しい判断が出来るのではないかなというふうに思っております。ということで今日はこのへんで、ありがとうございました。

 

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